ネットのお作法
高橋尚子

3.電子メールについて

3-1 電子メールの利用ルール

 電子メールのアドレスを持って、メールを始めたら、次のようなことに気をつけます。


※1日1回は、電子メールを確認すること。
※割り当てられたメールボックスの容量の限度内で維持すること。
※不必要な電子メールは削除し、メールボックス内に残すメッセージは最小限にすること。
※古い電子メールは、ダウンロードしたり、ファイルに保存すること。
※公表されたくない内容や重要な用件は送らないこと。


◆定期的に確認

 電子メールを始めたら、届いているかどうか定期的に確認する習慣をつけます。手紙と同じように、最低限、1日に1回はメールボックスを確認します。1日に何十通もの多数のメールを受信する場合は、こまめに確認するようにします。まとめて読むのが面倒になったり、重要なものを読み落すことがあるからです。

 また、携帯電話などモバイル機器に転送するといった手段もありますので、外出先でも周囲に迷惑をかけないところで確認します。

 また、送信した相手も、すぐに見てもらえるとは思っていませんが、1週間も見ないとは思っていません。「読んでない」は通じません。

◆メールボックスの整理

 電子メールで、割り当てられるメールボックスの容量に、制限があります。メールボックスの容量は、メールアドレスを発行した管理者やインターネット・プロバイダから通知されます。仮にメールボックスの容量を超えると、それ以上電子メールが受け取れなくなります。

 メールボックスは、利用するシステムによっても異なりますが、受信したメールのほかに、送信したメールの控えなども含まれることがあります。そこで、不必要な電子メールはメールボックスから削除し、容量を超えないように注意します。

 また、組織やインターネット・プロバイダによって、メールを保管する日数に制限がある場合があります。電子メールが、自分以外に読まれることはないとは限りません。保管日数などを確認して、古いメールは、定期的にメールをファイルとして保存するなどして、メールボックスから削除します。

◆相手を確認

 仕事上でのやり取りや仲間同士でのメール交換は必要です。しかし、だからといって、誰とでも仲良くメール交換ができるわけではありませんし、知らない人に勝手に送信することはしません。

 仮に、誰かの電子メールのアドレスを入手しても、メールを送信してよい相手かどうかを判断してから送信します。

3-2 利用する文字について

 インターネットに接続されているコンピュータは多種多様で、さまざまな言語や文字コードが使用されています。単純なローマ字と数字だけでなく、ロシア語など言語に対応した文字、漢字やハングル、アラビア文字のような特殊な文字があります。中には、デザインされたローマ字や@Aといった丸付数字、日本語独自の(株)、〒などは、よく使う記号でも機種によって表示できないものがあります。表示できないときは、表示できる文字に置き換えられ意味のわからない文字列になります。外字はもちろんのこと、これらの文字や記号は、電子メールでは使用しないようにします。

 また、無意識に使用することが多い半角のカタカナは、多くの機種で表示されないだけでなく、インターネット上の他のコンピュータを誤作動させる可能性があるので避けます。

◆共通で使用できる文字

 一般的に共通で使用できる全角の文字は、次のとおりです。

、。,.・:;?!゛゜´`¨^ ̄_ヽヾゝゞ〃仝々〆〇ー―‐/\〜‖|…‥
‘’“”()〔〕[]{}〈〉《》「」『』【】+−±×÷=≠<>≦≧∞∴
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3-3 電子メール(本文)の書き方

 電子メールの本文は、簡潔に、用件を短くまとめ、相手に正しく伝わるように心がけます。

◆初めてのメール

 初めての相手に電子メールを送る場合は、初対面の人に挨拶するように、自己紹介から書きます。

◆先に名乗る

 通常のやり取りでも、先に、どこの誰であるかを書きます。メールを最後まで見ないと誰だかわからないということがないようにします。

◆親しき仲にも礼儀

 通常、電子メールをやり取りする相手であっても、友だちや仕事仲間と会話をするときと同じように、簡単な挨拶を入れます。

◆文章は短く

 文章は、読点(、)や接続詞でつなげないで、句点(。)で区切って短く簡潔にします。1画面の文字数を考えて、行の長さを意識します。段落も長くならないように、適当なところで区切ります。

◆段落の間は空ける

 文章が長くなる場合は、段落に区切ります。また、段落の区切りがわかるように1行程度の空行を作ります。

◆箇条書きを使う

 重要な項目は、箇条書きにします。行頭を1文字以上下げたり、記号などを使って、項目をわかりやすくまとめます。

◆用件は少なく

 受信者が短時間にメッセージの内容を理解できるように、1つのメッセージには1つだけの主題に焦点をあてます。いくつも用件がある場合は、先頭で複数の用件があることを書きます。また、用件ごとに、記号などを使用して区切ります。

◆使用する用語に注意

 流行言葉や業界用語、新しい用語、カタカナ言葉などは、多用しないようにします。使用する必要があるときは、簡単に説明を付け加えておきます。

◆略語や略称は使わない

 略語や略称は、頭文字だけで文章を作成することはしないようにします。どうしても長い用語が続いて文章が長くなるといったときは、最初に正式名称を書いて、後は省略します。また、頭文字やあだ名で記述することもしないようにします。

◆カタカナを有効に使う

 正確な用語や漢字を使用することは重要です。しかし、場合によって、注意を引きたいときや、感情を込めたいときに漢字やひらがなをカタカナにして使用することも効果的です。

◆顔文字には注意

 記号を使って感情を顔に見立てて表現する「顔文字」を使用するときは、注意します。とくに対面したことがない相手や、年代によっては、ユーモアが理解できずに、ふざけていると思われたり、違う意味にとられるかもしれません。

◆他人に転送・引用されることを想定する

 電子メールを受信した人が、転送したり、引用することを頭に入れておきます。つまり、他人に関することや引用、転載などをするときには、十分注意します。

◆署名をつける

 電子メールの最後には、署名(シグネチュア)、つまり発信者の名前と連絡先、メールアドレスを簡潔に書き添えます。ただし、住所や電話番号などを書くときには、最低限の個人情報にとどめておきます。あまり長すぎると迷惑になりますから、3〜4行を超えないようにします。

3-4 電子メールを送信するとき

 メールの本文ができて、電子メールを送信するときには、次のようなことを注意します。

◆メールソフトの設定

 電子メールでは、さまざまなメールソフト(メーラー)が使用されています。メールソフトによっては、HTML形式の電子メールを送る機能を持つものや特定のワープロソフトに対応したものがあります。しかし、相手が必ずしもHTML形式やワープロソフトに対応しているとは限りません。そこで、HTML形式やワープロ対応の電子メールを送る前に、相手に確認します。わからない場合は、テキスト形式で送信します。

◆件名(題名、タイトル、サブジェクト)のつけ方

 電子メールの件名は、その内容が一目でわかるような簡潔なものにします。初めてメールを送信する場合はそれが伝わるようにします。重要なメール、返信が必要なメール、特定のプロジェクトやグループ内へのメール、会議などの連絡などは、カッコをつけるなどして目立たせます。メールの内容が長文になるときは、そのことを書くのも手です。

 また、海外へのメールでは、日本語が表示されない場合があるので、ローマ字を使用します。

◆送信前の確認−宛先

 電子メールのアドレスは、手紙と異なり1文字違っても届きません。必ず、宛先のメールアドレスを確認してから送信します。また、1文字違うだけで別の相手に届いてしまうかもしれません。とくによく似た文字(iとlと1、Oと0など)、全角と半角などを間違えないようにします。

◆CCとBCCの使い分け

 電子メールの宛先には、(TO:)のほかに、カーボンコピー(CC:)とブラインド・カーボンコピー(BCC:)があります。(CC:)の送信先は、宛先(TO:)に届いた電子メールに表示されます。つまり、ほかの誰に送信したかが互いにわかります。また、(BCC:)は、送られた本人しか知ることがありません。宛先や(CC:)の人に知られたくないときは、(BCC:)を使用します。

◆ファイルを添付するときの注意

 ファイルを添付するときは、自分のメールボックスの容量と相手のメールボックスの容量や送信の制限に注意します。容量の大きなメッセージや添付ファイルは、相手のメールサーバーや途中を経由するインターネットサーバーに負荷をかけるだけでなく、故障を誘発する可能性があります。メッセージや添付ファイルの容量が大きいと思うときは、相手に確認してから送信します。

 また、添付されたファイルが開かないといったことが起こります。ファイルの添付方式やコード化の方式は、メールソフトに依存するので、事前に確認をしておきます。

◆重要な情報は送らない

 電子メールは、ハガキと同じ程度のセキュリティで、ネットワーク上のいくつものコンピュータを経由して相手に届きます。クレジットカードの番号やパスワードなど、他人に知られてはいけない情報、秘密や重要な情報は、書かないようにします。見られては困る情報を送信する場合には、通信文を暗号化するなどの自衛手段をとります。

◆電子メールに返信するとき

 受信した電子メールに返事を出すときには、元のメッセージの引用する部分に注意します。すべてを引用していては、メッセージが長くなります。

 また、他に関連するメッセージや追加事項、訂正事項などが同じ人から送られてないかどうかを確認して、最新のものを読んでから返信します。

 また、自分に送られた電子メールが、宛先(TO:)としてきたのか、カーボンコピー(CC:)なのかを確認します。(CC:)の場合、確認のためだけで、必ずしも返事をしなくてよいかもしれません。

 さらに、電子メールに返事を出す場合、誰に返信するかも注意します。(CC:)の全員に必要かを確認して、返事をする必要がない人に届くことのないようにします。メールソフトの使い方も知っておきます。

◆電子メールを転送するとき

 受信した電子メールを転送するときには、送信元に転送してよいか確認をして、承諾を得てから転送します。送信元に承認を得ないで転送することは、マナー違反です。

◆ダイレクトメールの扱い

 商品の宣伝などのダイレクトメールを、同時に大量の電子メールとして送信はしないようにします。送信するメールサーバーのコンピュータシステムやネットワークに多大な負荷をかけます。また、受信した相手に迷惑がかかります。

3-5 電子メールを受信したとき

 電子メールの交換を始め、メールアドレスが他人に知られると、いろいろなメールがくるようになります。そこで、次のようなことに遭遇したときは、注意したり、腹を立てないようにしたり、冷静に対応します。

◆送信元の確認

 電子メールを受信したら、発信者のメールアドレスを見て、誰から送られたものか確認します。

 知らない人や心当たりのない人からの電子メールは、すぐに開かないで件名を見て、何か想像します。知っている人が別のメールアドレスを使用している場合など問題がないこともあります。しかし、中には、ウィルスを送りつけてきたり、単なるダイレクトメールの場合もあります。

◆TOかCCかBCCで受信したかを確認

 受信した電子メールが、宛先(TO:)としてきたのか、カーボンコピー(cc:)なのか、ブラインドカーボンコピー(BCC:)なのかを確認します。

◆返事の必要なメールはすぐ返信する

 会議や委員会などの出欠確認や、「返事をください」と返信を要求されたメールには、できる限り速やかに返信をします。また、返事が遅れた場合には、謝罪を意味する言葉をつけたり、遅れた理由を説明するなど相手に誠意を持って伝えます。

◆チェーンメールに注意する

 「不幸の手紙」のように「何日以内に×人に送ってください」とか「できるだけたくさんの人に送ってください」とか「たくさんの人に知ってもらいたいです」など、相手を特定しないで転送を求める電子メールを「チェーンメール」といいます。チェーンメールは、ネットワークに負荷をかけるだけでなく、相手にも迷惑をかけます。

 たとえ、親しい人から届いた電子メールであっても応じてはいけません。

◆虚偽の情報に注意する

 他人の電子メールを改ざんしたり、噂話を転送してはいけません。受信した情報の真偽、信頼性をよく見極めます。また、ほかに転送したり、伝達するときには十分注意します。

◆返事が遅くても怒らない

 送信した電子メールに対して、すぐに返事がこなくても、イライラしないようにします。相手にも事情があって、返事をするのが遅れているのかもしれません。あるいは、ネットワークを経由する途中で事故があって相手に届いていないかもしれません。重要なメールを送信したなら、電話で確認をしたり、しばらくして催促のメールを出します。

 また、重要な内容の電子メールを受け取ったらすぐに、とりあえず受け取ったことを返信しておきます。

◆不愉快な電子メールに怒らない

 不愉快な内容や腹立たしい内容の電子メールを受け取っても、怒らないでしばらくほっておきます。また、挑発的な言葉やけんかを売られても相手にしないようにします。文字の上でのこと、顔を見合わせてのやり取りではないので、常に冷静に対応するように心がけます。

◆受信した電子メールを公開しない

 電子メールは私信です。その内容を他の場所に転載したり、公開しないようにします。勝手にすると著作権の侵害になったり、相手の名誉を傷つけたり、個人情報などを漏らして迷惑をかけるかもしれません。

 受信した電子メールを転送したり転載したりする場合には、送信元に連絡して承諾を得てから行います。とくにホームページなどに公開するときは、慎重にします。

◆ダイレクトメールの扱い

 不要なダイレクトメールを受信したときは、不要であること、送信を停止するように返信します。

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